2016年09月16日

グラビア印刷機

グラビア印刷機 (photo gravure printing press, rotary gravure press)

週刊誌のカラーページ、グラフ雑誌やファッション雑誌など、写真の多い視覚的な雑誌の印刷に利用される。

新聞の日曜版にも多用される。

グラビア版は、深浅の差のある腐食穴(セル)をシリンダメッキ表面に作ったものである。

製版は工程が複雑で熟練を要するが、一度できあがると丈夫な版で、とくにメッキして強化した版は何十万部の耐刷力がある。

グラビア印刷機の構造は、オフセット印刷機に比べるとはるかに簡単で、溶剤型インキ溜に漬けられた版胴と、余分なインキをかざとるドクターdoctorと、圧胴が主要部である。

版胴が回転すればインキは版面全体に付着しセルの中にも入りこむ。

ドクターは鋭いエッジのナイフで、版面に圧着されているから、セルにつまったインキ以外の、表面上のインキをかき落とす。

そこで紙(たいていは巻取紙)と圧接させるとインキは紙に移る。

また、インキの溶剤に特殊のものを用いることにより、紙以外の物質にもきれいに印刷することができる。

各種のプラスチック類、セロハン、布地、金属フォイルなど。

家具、家電製品の外板に用いられる化粧板もカラーグラビア印刷である。

紙以外の物質に印刷することを特殊印刷、略して特印という。

特印グラビアでは包装材の印刷が多いが、引っ張れば伸びるプラスチック材のカラー印刷は、見当(レジスター)を合わせにくい。

絵柄以外にマークを刷り込んでおき、光電管装置により、自動的に見当を合わせる装置は、グラビアでは早くから利用された。

また、溶剤回収装置も安全、コスト低減上必要である。

インキの溶剤はすぐ蒸発するからグラビア印刷では乾燥が早い。

したがって、あまり品質のよくない紙にも高速カラー印刷ができる。

横山文徳


Posted by 横山文徳 at 12:25 │デザイン