2016年07月08日

色校正(横山文徳)

カラー印刷物は、本刷り(実用紙への本格的印刷)の前に校正版を作って校正機で校正刷りをする。

発注者はこの印刷物に、赤字で色の訂正を書き入れる。

これを色校正という。英語でcolor Proofという。

文字の校正と違って、色は見る人によって、また見るときの光源によって大きな違いを生ずるから注意を要する。

光源は5000°Kの標準光を使うことが推奨される。

色の校正は、色の濃さを変えることと色相を変えることの2点がある。

濃さを変更したいときは、うすく、あるいは濃くと指定すればよいが、その程度をあらわす言葉を慎重に使うこと。

たとえば、「少し」とか「やや」とか「わずか」という言葉が正確に印刷所につたわるかどうか。

一般の色校正では、ネガチブやポジチブ原板の網点を大きくしたり小さくしたりして色を変えるのだが、マゼンタをうすくするのにシアン版を調整することもある。

色校正には、印刷物の形で出す本来のもののほかに、プレプレスと称して版を作る以前に、写真的電子的に最終印刷結果を予測調整することも行われるようになった。

管理の方法として、もっとも簡単なのは、肉眼で判定しやすいような網点、細線、ベタ(調子のないこと)などの小さいスケールを、画線(画像)以外の余白に刷りこんでおいて抜取検査で調べる。

横山文徳
http://www.photo-saitou.com/


Posted by 横山文徳 at 15:20 │横山文徳